いわき明星大学

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自己点検・評価報告書

いわき明星大学 自己点検・評価報告書 2010

 学校法人明星学苑が、福島県いわき市へ高等教育機関の地元誘致を切望され、理工系および人文系からなる総合大学として、いわき明星大学を1987(S62)年4月に設立して以来、2010(H22)年度で24年が経過し、2011(H23)年度には四半世紀を経過することになった。学部卒業生、大学院修了生、合わせて約11,500名の将来有望な若者たちを、特にいわき市を中心とした福島県全域に輩出してきたことは、誇りにできることである。しかし、この間に世の中はさまざまな変化を迎え、その変化に柔軟に対応すべく、本学でも3回にわたる大きな学科改組を行い、常に前進を目指しての大学運営を心がけてきた。

 1987(S61)年に地域の要望を受け、理工学部4学科、人文学部3学科体制でスタートしたいわき明星大学は、最初の改組で人文学部内に新たに心理学科を新設した。さらに、我が国全体で起こってきた若者の理科離れに対応すべく、理系志願者の変動に合わせた改組として、理工学部を科学技術学部に改組し、学科の構成を組み替える第2回目の改組を行った。しかし、学生の理科離れは、依然として我が国全体の大きな課題であることは変わりなく、特に地方で都会の大学へ進学を希望する生徒が多く、学生定員を十分確保することが難しい実状にあった。この時期の2006(H18)年度に、本学は大学基準協会の加盟申請審査を受け、大学認証評価を受けたが、学生の受け入れに関しては勧告を受けることとなった。この対策を検討した結果、科学技術学部は、時勢に合わせて1学部1学科体制をとり、入学後に学生が進路を選択できるようなシステムを導入する改組へと準備を始めた。

2007(H19)年には、科学技術学部が文部科学省の現代GP事業に採択され、「地域連携による環境エネルギー教育者の養成」という今までにない取り組みをスタートさせた。この取り組みは、前回の大学基準協会の審査において、高い評価を得た地域貢献を発展させ、さらには環境問題、エネルギー問題という地元が直面するテーマで、学生教育における新たな取り組みを開始した。この取り組みこそが、前回の勧告事項である、科学技術学部の定員確保策として、本学が力を入れて取り組んだ事業であり、2010(H22)年度の科学技術学部科学技術学科への1学科4コース制への改組につながっている。

  さらに2007(H19)年には、第3回目の大型改組として、理工学部(科学技術学部)・人文学部に続く第3の学部として、薬学部の新設を行なった。福島県浜通り地域における薬剤師不足の解消を主眼として、地元からの要請に応えた薬学部の新設であり、大幅な教員増で、大学教育の質の向上に取り組んだわけである。

  このように、いわき明星大学として、組織体制の見直しを進めてきただけでなく、大学教育の見直しも並行して行ってきた。近年、日本全体でも大学教育の見直し、いわゆる大学改革が叫ばれており、文部科学省の指導のもとで、3つのポリシー(ディプロマ、カリキュラム、アドミッション)の再構築、FD活動による自主的な教員の教育力向上を目指し、学生の質の向上は言うまでもなく、教育する側の大学教員を含めた教育の質の向上を目指している。教育は日本の国策の柱となる部分であり、最終高等教育機関としての大学が行うべき役割を再認識する作業が進められている。まさにこれが、第三者による外部評価の導入であり、大学が自らを点検評価し、継続的な仕組みとしてのPDCAサイクルを構築し、「内部質保証」という自立して行えるシステムを、築き上げることを目的とした取り組みであろう。現実問題として、日本の大学の実状を顧みてみれば、世界をリードする人材を育成できているか、世界に貢献できる人材を本当に輩出できているのかといえば、すべての大学でイエスと言える状況ではないことはいうまでもない。しかしながら、大学という高等教育機関に世間が期待するべき要素は大きく、学校教育法第9章第109条において、教育研究水準の向上を資することを目的として、認証評価機関による外部認証評価が義務化され、各大学が、開学時に掲げた教育理念をしっかりと認識し、日本から世界に通用する人材の育成が、実際にどのくらい具現化されているのか、世の中に貢献できる卒業生を大学から実際に輩出しているのか、さらには、大学教員としての教育・研究成果が、どのくらい世間に貢献できているのかなど、大学自体が公の視点からも随時点検・評価を継続して行う必要性があると義務化されたわけである。いわき明星大学でも、学内で自己点検評価の独自なPDCAサイクルを構築し、システムを確立することを目的として、2006(H18)年度に大学基準協会による加盟判定審査、認証評価を受けた。結果として2007(H19)年4月1日から2012(H24)年3月31日までの5年間の認定を受け、現在に至っているわけである。そして、いわき明星大学を運営する学校法人明星学苑は、「明星学苑 Action 100」という将来に向けての新たなビジョンを 2009(H21)に掲げた。「明星学苑 Action 100」は、 2023(H35)年に創立100周年を迎える学校法人が、大学の理念、教育目標の実現のために方向性を示して、建学の精神である「和の精神のもと、世界に貢献する人材の育成」を達成するための、骨格であり指標である(根拠:明星学苑報No.29)。

  本報告書では、前回同様、学内に学長を委員長とする自己評価運営委員会、そしてその実務委員会となる自己評価実施委員会を組織し、大学基準協会が提唱する「大学基準」10項目に沿って、自己点検・評価作業を進めた。さらには前回の認証評価時に指摘のあった勧告事項および助言に対する対応についても検証した。この報告書により、2011(H23)年度に認証評価審査判定を受け、頂いたご意見を反映させて、更なる大学運営の改善、教育の質の向上に務める所存である。

報告書データ

  • 2010年度版2010年度版
  • 2005年度版2005年度版