いわき明星大学

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学長挨拶(30周年記念式典)

いわき明星大学創立30周年記念式典 学長挨拶

まず、本日のいわき明星大学創立30周年記念式典に御臨席賜りました清水敏男いわき市長をはじめとする多数の御来賓ならびに関係者の皆様に本学教職員、在学生を代表して深く感謝申し上げます。

いわき明星大学は、昭和62年4月いわき市の誘致をうけて学校法人明星学苑が設置し、理工学部(基礎理学科・物性学科・電子工学科・機械工学科)、人文学部(日本文学科・英米文学科・社会学科)の2学部7学科で発足いたしました。さらに平成4年に大学院修士課程(理工学研究科・人文学研究科)を、平成6年に大学院博士課程(同じく理工学研究科・人文学研究科)を開設いたしました。その後両学部それぞれの学科改組、理工学部から科学技術学部への転換等を経て、平成19年4月に新たな学部として6年制薬学部を増設いたしました。

ところが、平成23年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所の事故により、本学を取り巻く環境は激変し、学生募集と教育課程の変更を余儀なくされました。無念の一言に尽きますが、平成27年度から科学技術学部は募集停止とし、人文学部は学際的教育課程の教養学部へ改組転換いたしました。

そもそも、いわき市は本学を誘致するにあたり、市が提案した当初計画は産業技術学部(仮称)と薬学部(仮称)の2学部で、将来的にはさらに1学部を増設するというものでありましたが、市と明星学苑との交渉・調整の結果、理工学部と人文学部の2学部で発足いたしました。そしていわき市はニュータウン内に大学用地を無償で提供するとともに、建設費として30億円の資金援助を行いました。完全な公設民営大学ではありませんが、公私協力方式に近い大学として本学は誕生いたしました。

大学誘致にあたり、いわき市が要望した薬学部がほぼ20年を経てようやく設置され、1学部の増設すなわち3学部体制についても市の要望にお応えできたにもかかわらず、東日本大震災後、科学技術学部の学生募集が停止され、開学時の2学部体制に戻ったことは大学として忸怩たる思いでありました。しかし、かねてより関係各位から要請のあった看護学部を開設することとし、平成28年3月に看護学部の設置申請を文部科学省に行い、首尾よく本年4月に看護学部を開設し看護学部1期生を迎えることができました。

御高覧いただけるように、本学はいわき市から頂戴した約46万平方メートルという大学規模から考えると十分過ぎるともいえるキャンパスと深緑に囲まれたおよそ喧噪とは無縁の絶好の学習環境にあります。このような大変恵まれた学習環境のもと、開学以来一貫として、本学を設置した明星学苑の校訓である「健康・真面目・努力」を主柱に、また「手塩に掛ける教育」をモットーとして、13,327名の有為な人材を輩出してまいりました。

平成27年9月に、本学は法人機能の即応性、即時性を高めるため学校法人「明星学苑」から分離し、学校法人「いわき明星大学」の設置する大学に移行いたしましたが、この校訓は継承してまいります。校訓「健康、真面目、努力」は高尚難解な漢籍や古典からの引用ではなく、単純、素朴な、非難を恐れずに申し上げれば、地味な、垢抜けない言葉かもしれません。しかし、人生を生きていくために必要な要件がこの3つの言葉に凝縮されています。若い時、あるいは病気でない時、普段はなかなか分かりませんが、人間、健康でなければ働くことも、家族・友人との団欒、食事、娯楽など万事を楽しむこともできません。さらに健康に続く2つ目と3つ目の言葉である真面目と努力自体は目的ではありません。抜け道や安直を求めることなく、日々地道にそれぞれの意思と力を注ぐことによって好ましい成果が得られ、目的が達せられること、すなわち人生を生きて行くための手段を示しています。

人には寿命があり、大学に寿命がある訳ではありませんが、大学創立30周年を人の年齢呼称に当てはめれば、「三十にして立つ(論語)」の「而立」あるいは「三十を壮と云い、室あり(礼記)」の「壮室」ということになります。前者は自己を確立し独立すること、後者は家庭を持った働き盛りを意味しますが、18歳人口の減少や原子力発電所事故の風評被害という大学経営上大変困難な環境に消沈、疲弊することなく自らを信じ、壮年の熱気と気概をもってこれからのいわき明星大学を発展させてまいります。

平成31年には新学部として理学療法士や作業療法士を育成する健康医療科学部(仮称)を計画し、現在鋭意設置準備中です。変化を恐れ、現状に執着することは人にとっても組織にとっても危険です。本学は社会環境の変化に応じて、地域が地域のために作った大学としての使命を忘れることなく一意専心してまいります。

13,327名の同窓生そして現在いわき明星大学で学び、将来いわき明星大学で学ぶ諸君が誇りをもって語れる大学であり続けることをお誓いして本日の創立30周年記念式典の御挨拶とさせていただきます。

平成29年11月3日
「文化の日」にあたって
いわき明星大学
学長 山崎洋次