いわき明星大学

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学長告示(平成26年度学位記授与式)

平成26年度学位記授与式 学長告示(平成27年3月19日)

それぞれの学部、大学院において無事教育課程を修了して学士あるいは修士の称号を得て卒業を迎えた333名の皆様に心からお慶び申し上げます。また保護者の皆様におかれては、御子弟の本日の晴れ姿をご覧になって感慨もひとしおのこととお祝い申し上げます。

さらに、ここに御列席いただいた来賓、関係者の皆様にはいわき明星大学を代表して厚く御礼申し上げます。

本日晴れて卒業される科学技術学部ならびに人文学部の多くの皆様は、本学への入学を待機していた平成23年3月11日に東日本大震災に遭遇しました。本来ならば今日のこの日に、この児玉記念講堂で皆様と一緒に卒業証書を手にしていたはずのあの震災の津波による痛ましい犠牲者となった方もいました。また本学への入学手続きを済ましていたものの、震災の甚大な影響により入学を断念し、方向転換を図った方も決して少なくない数でした。薬学部を卒業される皆様も初期2年間の学園生活に慣れ、これから薬学の専門教育に本格的に取り掛かろうという矢先の被災で、抱いた先行きの不安感には相当なものがあったと想像いたします。幸い本学は震災による校舎等の損害は比較的軽微であったものの、4月11日の大きな余震やそれに伴うライフラインの復旧の遅れにより入学式はもとより前期の授業実施すら危ぶまれる状況であったことは皆様の記憶にあるとおりです。

まさに思い出したくもない災厄であり、生涯忘れることのできない出来事でありました。犠牲の大きさを考えると、誤解を与えることを恐れずに言えば、自分を見つめ、家族や友人のことを思い、人間や社会、歴史というものを考える貴重な体験であったのではないでしょうか。風評被害はいまだ存在し、震災からの復興は完全には目途が立っておりません。しかし震災直後から今日までの4年間を本学で学んだ皆様には、学業による学修成果とともに震災による破壊や震災後の混乱の中で身につけたであろう冷静さ、寛容、忍耐といった他者に誇れる徳目を持って社会へ旅立っていただきたいと願う次第です。

単なる商業活動という意味ではなく、広く色々な仕事という意味でビジネスという言葉を使わせていただきますが、ビジネスの基本はplan-do-see(check)と古くからいわれています。最近はさらにplan(計画する)-do(実行する)-check(確認する)-act(次の計画につなげる)というPDCAサイクルとかPDCAサイクルを回すとかいうことが、流行すぎではないかと思うほど多種多様な場面で提唱されています。一方極論するならば、plan計画の緻密さやdo実行の巧拙を問わなければPからDまでは誰でもできると思います。

問題はCのcheck確認にあります。著名なジャーナリストのピューリッツアは「ニュースにとって、大切なことが三つある。正確、正確、正確である」といったそうですが、その論法でいえば「ビジネス、仕事にとって大切なことが三つある。確認、確認、確認である」となります。

女性主人公が「私、失敗しないので」という決め台詞のテレビドラマが最近ありましたが、このドラマの決め台詞はともかく、現パナソニックの創業者であり、過去有数の偉大な起業家で経営者であった松下幸之助氏は、あるセミナーで「あなたは失敗したときにはどうされましたか」と突然質問された時、「私は失敗したことがありません」と答え、さらに「意の如く事が運ばないことを失敗というならば、それは随分ありましたが、しかし私はそのような場合、禍(わざわい)を転じて福と為すようにしているので、この意味では失敗したことがありません」と続けたそうです。

つまりcheck確認の上に行われたplan計画やdo行動の失敗は、回復が容易で次に生かすことができるということです。言葉を換えれば、禍(わざわい)である失敗を失敗で終わらせない、次の福である成功につなげるということになります。以上、やや回りくどい例え話をいたしましたが、学窓を離れ社会人として活躍することになる皆様へのはなむけの言葉といたします。

学長からの告辞の結びになりますが、いわき明星大学から輝かしい将来に旅立つ卒業生の皆様、明星学苑の校訓「健康・真面目・努力」を信条として、今後とも「体を鍛え、心を磨きそして努力する」ことをお願いいたします。重ねて申し上げますが、ご卒業おめでとうございます。