世界宗教の社会学入門 第3回 (2002/10/10) 

ガンジーとインド宗教


テキスト:橋爪大三郎「世界がわかる宗教社会学入門」p. 124-129


1. ガンジー
(1864-1948)ボンベイのジャイナ教徒商人生まれ、イギリスで法律を学ぶ、弁護士として南アフリカに行き差別問題に取り組む、インド独立の精神的指導者、非暴力不服従、アシュラム(共同体)生活、宗教の垣根を乗り越える「国家の理念」
2. インド宗教の問題
ヒンズー教徒とイスラム教徒の対立(独立時におけるパキスタンとの分離、カシミール紛争)
カーストの問題、特にアンタッチャブル(不可触賤民、全人口の20%)の差別、身分内結婚制度による幼少結婚、幼女殺害、
ヒンズー教と民主主義の対立(差別身分か平等か、職業の固定か自由か、汚れ<呪術>か罪<倫理>か
3. カーストの特徴
通俗的... カーストとはバラモン(祭司)、クシャトリア(武人)、ヴァイシャ(平民)、シュードラ(奴隷)という4つの基本身分に職業、生まれ、言語などの違いによって多数の集団が相互に閉鎖的な関係を持った社会制度です。カーストにはそれぞれ掟(タブー)があり、それを破った人は破門追放され、アンタッチャブル(不可触賤民)として扱われます。
社会学的... インドの身分秩序に輪廻と因果応報の思想が結合した宗教的社会制度です。
輪廻(サンサーラ)... 人の魂は生命体から生命体に乗り移り永遠に生存する。
因果応報(カルマ)... 人の行いは良いものも悪いものもすべて必ずその報いを受ける。
ヒンズー教の救い... 現在のカーストの掟を守れば次の世では高いカーストに生まれ変わる。
担い手バラモン... 社会的名誉の利害関心と現世秩序の正当化、バラモンとはカースト制度の最上に位置する祭司的身分ですが、起源は呪術師。
集団の閉鎖性を保つ手段として結婚と食事のタブーが発達。

4. タブーとは呪術的儀礼的な禁止命令
タブー 呪術的 非人格的 不可解 汚れ 悪霊のわざわい
戒め 倫理的 対人格的 理解的 神(天)の裁き

タブーの例... 牛肉(ヒンズー教)豚肉(イスラム教、ユダヤ教)喪中(仏教)暦・地理・方角(道教)
戒めの例... 十戒(ユダヤ教)山上垂訓(キリスト教)四戒(仏教) 
5. 行為の動機としての尊厳感情(名誉感、自尊心)
支配層(政治、経済、宗教)の尊厳(名誉)感情は自分の存在そのもの(Being)。そこから現世秩序正当化関心と身分的教育関心が生まれる。
賤しめられた人々の尊厳感情(自尊心)は自分が行っていること(Doing)。つまり義務の順守、使命の遂行、課題の達成に自分の価値を見出そうとする。
6. 宿題

アカデミー賞受賞映画「ガンジー」の鑑賞、あるいは「ガンジー自伝」の読書、のいずれかを選択して実行し、インドの宗教についてA4用紙に80字以上レポートしなさい。
〆切は今年最後の講義(12月19日)。