世界宗教の社会学入門 第4回 (2002/10/17)
ホロコーストとユダヤ教
テキスト:橋爪大三郎「世界がわかる宗教社会学入門」p. 26-48
1. ホロコースト(ユダヤ人虐殺)
ヒトラーによる600万人のユダヤ人虐殺、ユダヤ人強制収容所(アウシュビッツ)背景としての反ユダヤ人感情、ユダヤ人迫害の歴史(前586年のバビロン捕囚、後70年のエルサレム神殿破壊とユダヤ人の追放=ディアスポラ、中世におけるヨーロッパ・ユダヤ人との交流拒否と強制隔離=ゲットー、15世紀スペインのユダヤ人追放、19世紀ポーランド、ロシアの組織的ユダヤ人迫害 ポグロム)、2000年間の離散放浪の中で民族宗教性を失わないユダヤ人
3. ユダヤ教とは
通俗的... 旧約聖書の唯一神ヤーウェを信じ、律法(トーラー)を順守し、預言者の約束を待望する宗教。ユダヤ人とは3世代を通してユダヤ教を信じてきた人々。
社会学的... 律法(トーラー)教育と預言の約束に基づくパーリア宗教です。
律法(トーラー)...ヤーウェとの契約による祭儀的倫理的戒め。代表的なものは「モーセの十戒」とタルムード(口伝伝承)の決議論的法律集。律法?法律?(法律は物理的強制を伴う国家の命令、しかし律法は物理的強制を伴わない宗教的命令。)
パーリア(いやしめられた身分)... 他民族との交わりを自発的に拒否し、少数異民族としての社会的軽蔑、身分的差別に甘んじる人々。低いカーストの人々は自らの意志とは無関係に交わりを拒否されている。
ユダヤ教の救い... ヤーウェの戒め(律法)を守り続ければ、やがて神が現世の秩序をひっくり返しユダヤ人を支配民族とし、いままでのいやしめられた身分から最高の社会的名誉ある身分にする。
担い手ラビ... 律法に精通した魂の世話人、シナゴーグ(会堂)で律法を教える。集団の閉鎖性を保つ手段として結婚と食事の祭儀的遮断が発達。
ユダヤ人が反感を買う理由(1)同化の拒否=儀礼的特殊化による他の人々との結婚・食事の拒否、(2)二重倫理=同胞に対して許されない行動が外の人々に対しては許される二重の規範をもった倫理、たとえば高利貸し)
2. 預言者のカリスマ
同化拒否の原動力としての旧約預言(イザヤ、エレミヤ、エゼキエルの命令と約束)
預言者?予言者?(預言者とは神の言葉を預かり、それを人々に告げる人。予言者とは将来の出来事を予測し言い当てる人。)
4. 呪術と宗教の区別... 崇拝観念と教え(倫理と救済)が無いか有るか
| 霊への態度 | 霊の名称 | 学べる教え | 違反 | 行動規範 | |
| 呪術 | 強制・操作 | 悪霊、悪魔、鬼 | なし | 汚れ | タブー |
| 宗教 | 崇拝・祭儀 | 聖霊、神、仏 | 倫理と救済 | 罪 | 戒め |